2007年08月17日

NPO法人コンカリーニョ 理事長:斎藤ちずさんコメント

これ以前は2007年の演劇大学in札幌の記録です↓

演劇大学2007in札幌の会場としてお世話になりました「生活支援型劇場コンカリーニョ」・「ターミナルプラザことにPATOS」の理事長・斉藤ちずさんよりコメントを頂きましたので掲載いたします。


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「演劇大学」寮母の楽しみ

 かつて、15年位も前になるでしょうか?一役者として、様々な壁を感じ、勉強したいと思っていた時期がありました。まだ、札幌では演劇関係のワークショップはあまりなく、ダンスのレッスン場に通ったり、手当たり次第に異ジャンルのWSを体験したり・・・。

 猛烈に勉強したい時期というものがあるものなのでしょう。今年の演劇大学に集まった6人の道内の演出家たち、どうも、その猛烈に勉強したい時期なのでしょう。事前ミーティングから白熱していました。アルコールも入らずに延々と。今年「寮母」を名乗った私は、途中で飽きて、適当に差し入れして、「コンカリとパトス好きに使って、今、やりたいことやって〜」と言いながら、時々茶々を入れ。

 5年目になる札幌での演劇大学。羊屋学長、継続している実行委員の清水君、横尾君を中心にかつて猛烈に勉強したい女優であった私には、うらやましいくらいの事前準備2ヶ月、本番1週間でした。

 得たものはそれぞれ、その成果が形となって現れるのもきっと、それぞれ。もしかしたら、そんなに遠くない将来にその成果を目の当たりにできるかもしれないという期待も膨らませています。

 常々、日本の企業は優秀だなと感じていますが、その基礎には、大学から企業内部にいたるそれぞれの業界内でのたゆまない、無駄に終わるかもしれない研究があるのでしょう。現在の日本の中で、演出家や演技者が商品(=作品)以前の研究をできる場は、札幌だけではなく全国的に見ても、そう多くはないのだろうと想像します。しかし、海外の芸術大学の事例を見聞きすると、その基礎研究が必要なのだと感じます。今回の演劇大学開校式にあたる交流会でも、日本演出者協会の和田さんがオーストラリアの例を話されていました。共通基礎がある強さを感じました。うらやましい限りです。ただ、うらやましがっているだけでは進まないので、できることから。今年の演劇大学は、今、札幌の演劇に必要なその1歩目を踏み出したようなものを感じます。

 今年参加したメンバーの今後の作品と来年以降の演劇大学に期待大です。また、寮母さん、やって、意欲的な大学生たちと出会いたいものです。

NPO法人コンカリーニョ 理事長:斎藤ちず

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2007年08月14日

感想文集

今年度の演劇大学参加者(役者として参加した皆さん)に、成果や感想を尋ねてみました。 

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(1) 演劇大学に参加して体験したこと・考えたこと

☆感覚や勢いで進めるのではなく、言葉で理論的に整理することも可能で必要な手段であること強く思いました。講師の皆様に感謝です。自分の普段の感覚はフラットな状態でいつも持ち続けていようと思いました。
☆表現の奥深さ。人は臆病な生き物なんだって事と、共有する喜びとそれ以上の悲しみ。
☆体験したこととしては、脚本に真剣に向かい合う姿勢と感情で芝居をしないために必要なこと、です。考えたこととしては、芝居の奥の深さについてです、個人的に。芝居をすること、役者であることについて考えました、個人的に。
☆ワークショップへは初めて参加しました。長年演劇に触れてきましたが、「習う」としての演劇は初めてで(ベケツトの「クワット」をテキストに使用し)ひかれた線の上を一定の法則で歩くことを、全体のバランスを崩したらどうしようかと心配しながら行いました。普段使わない筋肉や脳をたくさん使って、若返った気がしました。
☆今まで感じてきたのとは違う種類の『面白さ』を感じました。今回体験した(羊屋×若菜ゼミの)ビューポイントは底がなくて、どこまでも深くて、何と言葉にしたら良いのか、やっている最中のあの気持ち良い集中力というか、あの感覚が本当に面白かったです。面白いという言葉は適当ではない気もしますが…とても面白い体験をしました。
☆一つの症状(できないこと)に対しての改善方法というのは一つではなく、また、その一つもどんどん掘り下げたり噛み砕いたりして処方することができることを体験した。
☆自分が参加したゼミ内でも、見学に行った他のゼミでも、「意識」について考えることになった。演技している中で、どこに意識を持っているのか、向けるのか、どれだけ素直に反応するのか、とても難しかったけど、新しい発見で、とても重要なことだと思った。
☆俳優がどう言葉を発しているのかということの「しくみ」を突っ込んで考えるということをしました。俳優は具体的な作業をするものなので、イメージを強くする必要があります。でもこのことは、独創的だったり、イメージの居場所を変えていくのではなく、イメージの面積を広げていく作業のことで、イメージがちゃんと体の中を走っているかどうか、イメージにぶらさがり言葉から離れることができているかどうかにとことんこだわる必要性を、そうそう、そうだよなと改めて噛み締めました。また、そのことを俳優と演出家との間で確認しながら進めていくことの重要性を再認識し、体験することができました。俳優のもつイメージをお客さんが想像して楽しめることが演劇にとってなくてはならないことなんだと改めて思いました。


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(2) 参加しての自分自身の成果や課題

☆たくさんの演劇人と知り合えたことが、成果です。
☆何が成長出来たか今の時点では解らないけどまだ自分は本当の優しさを理解してない。ただ答えを見つけようとせず、ぼんやりと感じたモノを大切にしたい。
☆今年がじめてでしたのでおそるおそる参加しましたが、参加(挑戦)することで得られることが沢山あることを体験しました。これが成果です。
☆方法によっては今まで出なかった力も出ることを知った。
☆普段稽古で気にしている課題を講師の岡田さん、ゼミ生の渡辺さんが明確に伝えてくれました。いちいち自分自身の中でしっくりきて、とてもとてもおもしろい日々でした。
☆演出家のためのワークショップだったので、少し客観的にその場にいられたのがよかったですし、芝居をする上で何を本質として稽古をすすめていくのか、演出家と役者、両者で理解しておかなければいけないですし、理解しあおうとすることの重要性など、これからの自分たちの作品づくりに役立つことばかりでした。作品を作ることがとても楽しみでしかたありません。とはいっても地道にですね。
☆「日常生活でこんな言葉使わねえよ!」ってセリフでも、きちんとイメージを持って、リアリズムをふまえて言えるようにならなければいけないことを学んだ。「イメージを保持したまま最後まで演技し通さなければならない」ということを学んだ。
☆全ての部分に力を入れすぎたりエネルギーを大量消費していたりしていたことに気がついた。☆「体の不自由さ」があるので、それを克服することが大切。セリフと段取りに気を取られていると、頭と体の動きが別々になってしまっていることは実感出来た。イメージを支える軸足をしっかりさせることが大切だと感じた。
☆お芝居を始めた頃に突き当たったテーマを、改めて確認する機会になりました。まだ消化不良ですが、今後に大きな影響を与えてくれることと思います。
☆今回学んだことは第一歩であって、俳優の仕事としてやるべきことはまだまだたくさんあることを忘れちゃいけないなと思っています。
☆(羊屋×伊藤若菜クラスで行った)ビューポイントをやっている最中の体は決して力むこと無く、ソフトフォーカスで広く周りを意識し、周りも私を意識している、丁寧に意識し合っているのがわかるあの感じました。それを今後の舞台に生かしたいです。特に私の演技は力みがちなので、力まずに自然な状態で舞台に立ち、周りのことも広く意識できるようになる、というのを今後の課題にしたいです。
もっと考えなければならないということ、色々な角度からのアプローチをしていくことの大切さを感じました。これからの大きな課題としていきたいです。
☆意識が一本しかないことを克服!自分の意識が向くことに正直に、正直に、素直に素直に反応できたい。
☆清水ゼミで題材にした「クウァッド」は結局なんだかわからないテキストでしたが、実際にやってみると意外と難しく、それゆえに演じる(?)ことに集中できる作品でした。
☆正直言って地味〜な演技はつまらなくて「大げさに動きたいー」とずっと考えてしまっていた。エネルギーが余ってしまっているのを感じたので、息を吐ききるのと同じように一本でエネルギーを出しきってしまうのがよいのではないだろうかと考えた。 


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(3) 全体の感想など

☆あたしは参加して自分がへたくそだなぁ〜っとたくさん実感しました。
悔しさ半面、頑張るんだ〜っともすごく思えた期間でした。自分は所属する劇団以外の人や演出さんやお芝居のことを知らなかったので、演劇大学でいろんな人を見て話して、新しいことを知れてたくさんの良い刺激になったと思います。自分がもってる嫌な部分汚い部分ともすごくむきあえた大学で、うまくなることにすごく繋がったように思えました。とても楽しかったです。
1週間、本当にありがとうございました。今後も真剣に楽しく芝居をしていきたいと思っています。
☆演出家同士の横のつながりが持てたり、演出家の苦悩を間近で見れるのはとても面白く、俳優としても心に余裕が持てます。
☆みんな熱心で、初めてお会いした方々ばかりなのに凄く真剣に話し会えた。
☆それぞれの課題が明確にあって、演出と俳優が一丸となってクリアしていこうという姿勢が随所に感じられて、そこがとても気持ちよく感じました。
☆毎日新しいことを体験して、緊張もすごかったけど楽しかったです。今日はどうなるんだ?という楽しさでした。
☆普段の稽古ではその時の作品ややり方、演出家と役者の双方の感じ方や意見のやりとりをなかなか出来ないので、貴重な時間になったと思っています。
☆見学者がいたり、他の劇団の俳優さんと一緒に演技を出来たことは新鮮な刺激になりました。
☆ほかのチームの稽古を見学させてもらうことで、一度にたくさんの演出家・役者のみなさんのようすを拝見することができたので、とても貴重な経験になりました。
☆日常とは離れた芝居漬けの時間、普段の生活では使わない部分の脳(?)を使ってる感覚、そして久しぶりの大学生&札幌人生活を体験しました。
☆第1線で活躍している方々と実際に芝居について語り合えるなんて、なんて優雅なひと時だったのか、と感じました。
☆期間中、自分の今まで知らなかった面も見れました。他人の知らなかった面、意外な面も見れました。
☆スピードはとっても遅かったと思いますが、濃い感じがしました。自分の劇団で次の作品の取り組みたい!という気持ちが更に湧いてきました。
☆シンポジウムで札幌の演劇がぬるいとの意見がありましたが、今回参加して自分自身のぬるさを具合いが悪くなるくらい痛感しました。
☆自分の演劇観を大事にするのも大切だけど、それならなおさらこういう機会に飛び込んでいく芝居をやってる人が増えればいいなぁと思います。札幌の俳優の演劇への関心がうすいということも浮き彫りになった気がします。☆ワークショップで学んだことをショーイングで忠実に行おうとしましたが、客観的に観るとつまらないといわれました。身体の内で生まれた光を大切に大きくしていゆく過程です。まだ5日目に表現する物が、つまらなくて良いと僕は思います。もっとデキル人なら5日目でもすぐにできるのかもしれませんが、僕はあの舞台に立ったことだけで精一杯でした。
☆学んでいる事を楽しんでいました。環境が良くて、その流れに流されてました。自分自身に毎日課題を与えて悩み、授業に臨めばもっと成果が出たのではと後悔してます。


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(4) 劇大学への要望など

☆ずっと素晴らしい演劇大学を続けて下さい
☆役者に、力(いろんな意味で)を与えるワークショップを期待しています。
☆今回の演出ワークショップは、参加俳優にとっても大変刺激的で、次につながっていくようなものに感じられました。次回もこのようなタイプのワークショップがあるといいなあ、と思います。
☆もうすこし参加費が高くてもいいと思いました。参加者としては助かりますが、それ以上の価値があると思いました。
☆ライフスタイルのせいで参加できる時間が限られるので、昼間のゼミは残してもらいたい。
☆平行して役者のWSなども行うのはいかがでしょうか。また、「昨今の演劇事情」の講義なども聞いてみたい。
☆来年の大学の情報をメールで欲しいです。
☆今回6クラスありましたが、仕事をもっているとやはり1クラス受けるのが精一杯でした。他のクラスも受けたかったのが正直なところです。その辺がどうにかなったら嬉しいです。
☆今後も講師の皆さんをお呼びし、いずれは作品を一緒に作り、公演をしたいです。ですので、長いスパンで考えて、とびとびでも何ヶ月か継続して参加するというワークショップだといいなと思います。
☆少し残念なことに、講師とゼミ生(演出)のやりとりの時間が参加者としてはわりととぼんやりとした時間になっていたような気がします。演出家にとっては有益な場面でも、それが必ずしも参加者(俳優)にとって有益な場面であったかは疑問が残る場面もありました。
☆ショウイングの方法はもう少し整えた上で実行されるべきではと思いました。「なーなー」な内輪向けのような気がします。お客さんもいるのだし。ショウイングの方法、または事前に提示する方法を考えた方がいいと思います。



担当:渡辺豪


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2007年08月07日

羊屋白玉演劇大学07終了コメント

学長の羊屋白玉さんよりコメントをいただきましたので掲載させていただきます。


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青井さんと岡田君に以下のような御礼メイルをおくりました。

御礼おくれましてごめんなさい。何日か札幌の友人宅におじゃまして
帰ってきました。
演劇大学ではほんとうにありがとうございました。
いまはっきりわかるのは、わたしもふくめて青井さんや岡田君深津君の、
札幌の演出家たちにたいするまなざしというものが、
つくりてとしての姿勢にそそがれていたのだなということです。
シンプルですがとても重要な、大変手間のかかる作業におつきあいして
いただき、
とてもありがたいことです。ほんとうに。
暑い日が続きますがおからだご自愛ください。それではまた。羊屋白玉

というようなもので。
わたしの演劇大学07終了コメントのすべてがつまっているわけで
もあります。
それは 「姿勢」 です。
簡単に言えば、この人といっしょにはなしをしたいかごはんをたべたい
かどうかです。
作品のことなんて、いってみればライバルなんですから、アドバイスは
しても企業秘密は明かしません。


いろんな姿勢がおもいうかびます。
研究発表の中、わたしがいちばん課程と仮定がよくわかったのは、すが
のくんとわかなちゃんで。
翻訳はあえてしませんが、やりっぱなしの発表にしないように留意して
いたと感じました。

打ち上げの席で、深津君がわかなちゃんに「あんまり君のはおもしろく
なかったけどさぁ」と言っていて、
「なにゆってるのかもよくわからなかったけどさぁ」と言っていて、あ
らあらとおもって横で聞いていたんだけど。
「でもなんだかトガっているかんじがいいよ」と言ってました。おぼえ
てる?わかなちゃん。
そんでわたしのこと指さして「ひつじやとは8年くらいのつきあ
いだけど出会ったときはぼくもこいつもトガっててさぁ。。。」とか
いっていると。
なんかそこで青井さんが笑顔で乱入してきて、実は青井さんと深津君と
わたしは劇作家大会の札幌で
「演劇とエロス」というタイトルのシンポジウムで初共演してそれいら
いのおつきあいなんですが、
ただエロ話をしただけなんだけど、内容は控えますが、この人達は信用
できるかもと感じあったきっかけでもあります。

橋口さんは、構造についての書物が、演劇大学ビフォーアフターで理解
がぜんぜん変わったんでしょう?

それらはすごいことだとおもいます。

わたしの言い方だと、三年殺しとか七年殺しとかいいます。

姿勢をくずさないで。とにかく。
とおもいます。そしてわたしも。

そのうち今回の講師の現場に、今回と逆の立場で札幌の演出家がつい
て、いっしょにクリエーションするってのもいいかもしれない。演出助
手ってことではなくてね。俯瞰して比較して現場に発言するの。
演出家は演出しているときは、七転八倒で周りのことがみえにくいのは
あたりまえなんだとおもいます。
これもまた大変かもしれないけど。
どんどん研究は進む。

終わらないんです。

グッドラック!
またタッグを組みましょう。

羊屋白玉
posted by sapporo at 03:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 2007年/感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

青井陽治講師 終了コメント

青井陽治さんより、演劇大学終了直後にコメントをいただきましたので
掲載させていただきます。


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札幌の新しい友へ:

お疲れさまでした。
その後、元気ですか?
振返ると、本当に楽しく、演劇のことだけ考えている1週間は、連日2チームの稽古で、重労働なのにストレスの全くない、純粋で幸せな時間でした。でも、帰京して1週間、今になって思いっきり疲れが出て来ているのも事実です。今朝、僕は、バスルームで猛烈なめまいに襲われ、札幌のために死ぬのかと思いましたが、40分程で回復し、予定通り、大阪日帰りで、来年の打合せをして、オペラを見て来ました。大丈夫そうです。

今年の演劇大学で、印象に残っているのは、チームが違っても、参加者が友だち同士で、期間中、お互いの体験を共有し、励まし合ったり、羨ましがり合ったりしていたこと。「良いなあ!」と思って見ていましたが、最終日には、そのあたたかさが、交流会やシンポジウムを成果以上に盛上げていましたね。
広大なだけの東京砂漠(古い言い方ですね!)からの来訪者としては、コミュニティーの小ささと濃密さが羨ましく思えました。
この素晴らしい企画を立てて実現した札幌の若手演出家たち。彼らの演劇に対する態度は熱くひたむきで、その方法論も間違ってはいませんでしたよ。誰かに教わったことがないから、はっきり自信が持てないんでしょうけど、そんなの僕らも同じです。
悩まず、自分を信じて突き進んで欲しいです。あとは、自分を疑い、壊し続ける勇気をなくさないこと。それには、温故知新、勉強し続けるしかありません。俳優さんたちも同じですね。
まあ、今回は、創作の根本と言うよりは、俳優たちと共に、どう戯曲を読み解き、俳優たちの身体に乗せて、観客に届けるのか――そこに、演出家の意識が向っていたので、そこを中心にやりましたが、君たち俳優の適応力はなかなかでしたよ。札幌の演出家たちは、僕が何か言ったり、ちょこっと新しいインプロを挟んだりすると、俳優たちの理解が一気に深まったり、演技ががらっと変化したりするのをびっくりしてたけど、その秘密は、シンポジウムで話した通り。俳優と演出家は、同じ日本語でも、全然違う言葉を使っているのですよ。それさえわかれば大丈夫!  きっと、札幌の演出家たちの俳優に対する物の言い方は、飛躍的にわかりやすくなるはずです。

演出家は、考えること、思うことが素晴らしいばかりでなく、その伝え方が素晴らしくないと。だって、演出家は、直接に演技やものづくりに手を下さないのですから。そのかわり、創造の根源や方向性から手ざわりや細かい技術まで、何でもわかっていて、それを的確に伝えられないと駄目なんです。しかも、たいていの場合、相手は緊張いっぱい、時間はぎりぎりですから、言われて「うれしい!」と思える言い方をしてあげないと。実は演出家もパニクってますから、これはなかなか大変なんです、内緒だけど。
僕は、今年も、白玉さんや岡田さんや深津さんの不器用なまじめさと共にいることが心地よく、札幌の若い演劇人たちも、そこから良い波動を受け止めてくれたと思います。

札幌の演出家たちと、創り手としての姿勢を確かめ合う。それは、本当に大切なことだと思います。そして、演出者協会も、劇作家協会も、そのためにあるのでなくては、と普段から思っていることを改めて強く感じさせてくれたことを感謝しています。
僕たちは、高校の生徒会みたいなデモクラシーごっこなんかやって意気がってないで、少しでもましな演出をしたり、本を書いたりの努力をし、語り合い、情報や知識を蓄積することを一番に考えないと、まずいんじゃないでしょうか?
演劇とその創り手が社会的に認知されることを望むなら、僕たちの創る演劇がおもしろくなることが一番の近道だと思います。社会の一線で働く人が、時間がなくても、疲れていても、どうしても見に行きたいと思う――そういう演劇を創りたいと願います。
それ以外に重要なことなんかないです。シンプル。手間がかかる。当り前です。そういう意味で、札幌は遅れてるけど正常です。だから、僕は、とても好きです、札幌が!

ありがとう!
またお会いしましょう!

青井陽治
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2007年08月06日

岡田利規講師 終了コメント

講師の岡田利規さんより、演劇大学終了後にコメントをいただきましたので
掲載させていただきます。


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今回は、お世話になりました。
演劇って、ただやっているだけですごく楽しいので、
その楽しさにかまけてしまうことは容易です。
それを絶対的な悪であるなどとは、もちろん思いませんが、
僕はいろいろなことをラディカルに捉え直して先に進むことに
価値を見いだしています。
そして今回の演劇大学に携わった人もまたそのような志向、性向を持っ
ている人であることを望みます。
(だってそうでなければ「大学」になんて来る必要ない。)
要は今後も考え続けること、できうれば結果を出すところまで考えを引
き延ばせること。それができなければ、
今年の演劇大学の日々は、単にいっときの刺激的な日々であったという
ことにとどまるでしょう。
それはそれで意義のあることだったとして、お茶を濁すような感じにす
るのは、とりあえず僕は寂しいから厭です。
期待していますが、過剰に期待すると、がっかりして自分に支障をきた
すので、それは避けたいので、少しだけです。

偉そうに書きましたが、上記コメントは、そのまま、今回の演劇大学へ
のコメントとして
使ってください。

岡田利規
posted by sapporo at 18:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 2007年/感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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