2008年10月28日

札幌の演劇大学について

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演劇大学札幌実行委員長 清水友陽


  札幌の演劇大学は、昨年の夏で5回目を迎えた。「それぞれの方法論で現に創造し続けている人たちに触れる体験」ができる場所が札幌の演劇大学であるという考え方は、03年に始まったときから現在まで変わっていない。05年から、札幌や近郊で活動している演出家で実行委員会を組織し、学長の羊屋白玉氏と共に、内容の検討から運営までを行っている。制作、劇場との連携も次第に整ってきた。俳優に対してのワークショップが中心であったが、試行錯誤を重ね、昨年は演出家・演出について考える内容となった。

 演劇大学2007札幌では、参加する演出家、俳優たちは、まさに学生となりゼミナール形式で「演劇を研究する」というテーマで、5日間のワークショップと、最終日に研究発表のためのショウイングを行った。青井陽治氏、岡田利規氏、羊屋白玉氏、それぞれのゼミに札幌の演出家が2名づつ、計6名が参加。3会場に分かれ、時間帯を昼の部(13時〜17時)と夜の部(19時〜22時)に分けた。その6コマのどこかに、やはり札幌の俳優が参加し、1クラス5〜10名程度でのゼミとなった。

 各ゼミに参加する札幌の演出家は、それぞれ何を研究するのか、テキストが必要ならば何を使うのかを事前にまとめ、1ヶ月程前に東京と横浜で、講師と打ち合わせを行った。打ち合わせのための準備を含めると、それぞれの演出家は少なくとも2ヶ月ほど、自分で決めた課題と向き合うことになり、有意義な演劇大学5日間を過ごせた。

 いくつか反省点も出た。期間中、時間的にも内容もタイトだったので、他のチームを覗き見る余裕がなかった。何かしら、ゼミ同士が交流できる方法を考えるべきではないか。厚みを考えると、1講師に1演出家というのはどうだろうか。演劇大学期間中だけではなく、プレでもアフターでも、「演劇の話」ができる環境を整えるためにはどうしたらよいだろうか。演劇大学のショウイングの意味は何だろうか、必要だろうか(エンターテイメントなのか、研究発表なのか)。

大前提として、「演劇大学札幌は、現に演劇作りに関わるものが、自らの演劇創作の糧となるべく企画して参加するもの」であるということを、改めて確認した上で、演劇大学2008札幌の企画を検討してきた。6月上旬には、総会と称した交流会を開催、30名ほどの演劇関係者が集まった。昨年のゼミから1年とちょっと経ち、それでは今年は何を獲得して行くべきか。問題のひとつに、札幌の演出家の、俳優に対して語る言葉の曖昧さが浮かんできた。札幌の演出家と札幌の俳優が現場で向き合うために必要なことを体験するにはどうしたらよいか。夏頃から実行委員を中心に試行錯誤した結果が今回の演劇大学2008だ。俳優が戯曲と向き合う一週間。戯曲がある。俳優がいて、演出家がいて、「演劇」といわれるものが作られていく。それは本当か?今、演劇の現場でその作業はまっとうに行われているのだろうか?そんなことを、一緒に考えてゆけたらいいと思う。


 

posted by sapporo at 19:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 2008年/告知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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