2007年06月15日

演劇大学2007in札幌

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夏、演劇を研究する。

〜何千マイルも飛び続けるためのクリエイション


日本演出者協会では、これからの演劇を担う演出家と俳優の育成を目的としたワークショップ&セミナーを全国各地で開催してきました。 そのメイン事業である「演劇大学」が今年も札幌で開催されます。

今年の「演劇大学in 札幌2007」では、通常の「上演」に向かう作業のなかでこぼれてしまうプロセスがあるのではないかという懐疑から出発いたしました。そのこぼれてしまってきた未踏(おそらく)のプロセスを踏むため、ゼミナール形式のwsを行います。

北海道の演出家6名と、彼らのクリエーショ ンを補完してゆく演出家を講師として迎え、講師の指導の元に実地に研究活動を行います。

各ゼミが研究対象のテキストを元に、生活支援型施設コンカリーニョを会場として一週間をかけて深く演劇を研究し、ショウイング+シンポジウムを通して、報告+討論いたします。



学長あいさつ

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by Sakiko Nomura

「短い夏」

 
演劇大学は、演出者協会主催事業“俳優・演出家養成セミナー”と称して、日本各地で開催されている。今年で5年目を迎える「演劇大学in札幌」は、かねてから実行委員会を演出家たちで結成し、制作者、劇場と一体化し、今年も新たなステップを踏もうとしている。

今までは、俳優に対してのワークショップを中心に企画されていたが、今回の札幌では、試行錯誤の末、演出家、演出について取り組む内容にいよいよ着地しようとしている。私が、2003年から「演劇大学in札幌」に関わって、少しずつ札幌の舞台芸術事情や演出家たちのことを知るようになり、知れば知るほど、札幌には実力のある作り手が多いことに気づいた。

30代前半の彼らと東京在住の同世代を比べるのもおこがましいが、チャレンジングでアイデアあふれる創作を展開している姿を何度か目撃した。例えば、東京進出、海外作家との協働、執筆、教育、舞台以外の創作、カンパニーの運営にも果敢な強者たちである。

この働き盛りの30代前半の演出家たちは、下手するとどんどん仕事をしてしまうであろうし、技術や力業で、とんとんとこなしてしまうであろう。私は、彼らが休むことなく続投してゆくことで、そのうち肩を痛め、ボールを投げられなくなることが来ることを、危惧していた。

もうこうなると老婆心だ。そして、何よりも絶対的に惜しいことは目的を失うことだ。力のある彼らだからこそ、何千マイルも跳び続けることができた。そして、今こそその翼を休め、毛繕いをすることが必要だと提案した。

7月の短い夏、たった6日間の休息と補給。演出者協会の推薦による講師を交え、彼らの過去の作品や新作を題材に、クリエーションをし直し、見つめ直してみる。「舞台に限らず芸術とは、深いところに触れると、いつも同じものが出てくるのではないだろうか」私は私で、そんな命題を持ち、講師として参加する。

このクリエーションに関わる札幌の演出家そして俳優たち、札幌の短い夏をもっと短く感じるほどに、没頭しましょう。してみましょう。


 
演劇大学in札幌 学長 羊屋白玉
  



ゼミ長あいさつ
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「ちょっと違う、5年目。」  

札幌で演出家が考える時間を作りたいと前々から話しをしていた。そして今年、どうせなら思いっきり考えることにした。

今年の演劇大学
in札幌はゼミだ、ゼミナールだ、「教員の指導の下に少数の学生が集まって研究し、発表・討論などを行う」のだ、まさに大学だ。だからこの6日間、参加する演出家たちは学生なのだ、思い切り研究するとよい。参加する俳優たちは学生なのだ、思い切り討論するとよい。そして参加するお客さんも学生になるとよい。

青井ゼミ、岡田ゼミ、羊屋ゼミ、それぞれ最終日の研究発表がどんなことになるのか、楽しみでしょうがない。これはゼミなのだ、研究発表のあとでまた討論しよう、きっと今、それが必要なのだ。

5年目の演劇大学はちょっと違う、入学した人もいる、卒業した人もいる、そして3年生の僕は、学生の一人として、ゼミ長として張り切ります。コンカリーニョが、まるで大学になってしまえ。


 
演劇大学in札幌 ゼミ長 清水友陽
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講師プロフィール

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青井陽治 AOI YOJI 

「痛くても!」

作・演出を同一人物が担当する。
当り前のように、多くの芝居がそうして創られている。良いんだろうか、ほんとに、それで?作家は幸せだろう、一番よくわかってる人に演出してもらえるのだ。だが待て。この演出家は、作家の知らないその本の魅力や、思いもよらない論理や構造を読取ってくれるのか? 
演出家も幸せだろう。一番気心の知れた作家の最新作だ。でも、毎度同じ作家の本ばかりで退屈しないのか?
 
いろんな作家の戯曲と出逢いたくないのか、彼は?
シャム双生児を切り離すような!……痛いよ、この夏の体験は!



◎青井陽冶プロフィール

69年に研究生として劇団四季に入り、『ウエストサイド物語』『ジーザス・クライスト=スーパースター』などの初演に出演。同時に翻訳・訳詞・劇作のチャンスを与えられる。76年よりフリーとなり、以降、海外戯曲の上演、ミュージカルの創作に独自の世界を築く。近年は、次代のエンターテインメントを担う演劇人育成のために、演劇教育にも積極的に携わっている。主な作品に、『真夜中のパーティ』ニール・サイモンの『BB三部作』『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』『ラヴ・レターズ』『あなたまでの6人』『GODSPELL』『海の上のピアニスト』『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』『エリザベス・レックス』『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』。新派では『あじさゐ』『ふりだした雪』『狐狸狐狸ばなし』を新しい感覚で演出した。
 

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講師プロフィール

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by Sakiko Nomura

羊屋白玉 HITSUJIYA SHIROTAMA

どこかにわたしの学長コメントが掲載されていることと思います。
そのなかで「老婆心」などと勢い余った言いまわしを目にすることで
しょうけど、思いのほか本気でして、
どうせなら徹底的に余計なお世話をしてやろうと目論んでおります。
そんなわけで今、「老婆心」は「好奇心」へ、うずうずと転化しつつあ
ります。
演出家であるわたしが演出家である彼らに対峙し、講師としてクリエー
ションに参加するとかいう尋常でない関係性を引き受けること。
まずはそのことへの好奇心を第一に、誰よりもわたしが一番楽しんじゃ
うんだから〜と、
「毒を食らわば皿までも」の精神で参じ馳せます。どうぞよろしく。
  


羊屋白玉プロフィール

 1994年、指輪ホテル設立後、廃工場やテニスコート、レストランなどオルタナティブなスペースでの空間演出と、女性のみで体現されるドラマツルギーにより、斬新なビジュアル、新たな「社会観」「世界観」「女性像」を提示してきた。2001年にはアジアン・カルチュラル・カウンシルのフェローシップを受け、ニューヨークに演劇留学。ニューヨークと東京とをインターネット中継で結ぶ”Long Distance Love”を発表。そのさなか、同時多発テロが発生。混迷極まるニューヨークで公演を実施。帰国後、オン・ケン・センとのコラボレーションにて、「戦争」をテーマにしたその作品は、「テロ後」の社会に賛否を引き起こした。
 2006年”CANDIES-girlish hardcore”を、イギリスにて世界初演。ヨーロッパツアー、北米ツアーを実施。同年6月、ニューズウィーク日本版特集「世界が認めた日本人女性100人」のひとりに選ばれた。最新作”EXCHANGE”は、10月東京、京都、08年にはヨーロッパ、北米ツアーを予定している。日本演出者協会理事。日本劇作家協会会員。http://www.yubiwahotel.com/

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講師プロフィール

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岡田利規 OKADA TOSHIKI
 

演出に関して思うことを、思うままに以下に書きます。演劇の本質とはなにか、ということに対する、どのような固有の見解を持っているか。その見解を、どれだけ演劇という実践においてクリアに現出させられるか。つまり、俳優の身体を掌握するためのどのようなすべを身につけているか。その掌握は、最終的に俳優の自由のためのそれとなり得ているか。また、現在の見解をどれだけ、あくまでも仮説であるとし続けられるか。暫定的な到達点としての現在の見解がどのようなものであるかということと、その到達点から自分が今どのくらいの速度で、その先に動けているか(少なくとも、動こうとできているか)ということの二つに、同じくらいの重きを常に置くことができているか。僕はこうしたことを問題にして、今回のワークショップに臨みたいと思っています。
 


◎岡田利規プロフィール

1973年横浜生まれ。97年に「チェルフィッチュ」を結成。横浜を拠点に活動。04年発表の、『三月の5日間』で第49回岸田戯曲賞を受賞。選考委員からは、演劇というシステムに対する強烈な疑義と、それを逆手に取った鮮やかな構想が高く評価された。とらえどころのない日本の現在状況を、巧みにあぶり出す手腕にも注目が集まった。07年2月、新潮社よりに同作の小説版を発表。岡田利規演出特有の身体性は、時にダンス的とも評価され05年『クーラー』という作品で「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2005次代を担う振付家の発掘」最終選考会にノミネート。05年9月、横浜文化賞・文化芸術奨励賞受賞。06年6月ドイツミュールハイム劇作家フェスティバルに日本劇作家代表として参加。同年12月新国立劇場 the LOFTにて『エンジョイ』発表。06-07年アゴラ劇場の舞台フェスティバル「サミット」のディレクター就任。07年5月ヨーロッパのアンテナフェスティバルとして評価の高いベルギー/ブリュッセルの「Kunsten Festival desArts」に参加、同時にパリ公演も果たした。
http://chelfitsch.net/


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